蠍座29度

場面とキーワード:Marc Edmund Jones『The Sabian Symbols in Astrology』(1953)。一部の場面は、原典の古い呼び方を今の言葉に言い換えています。訳と読みはオトマジカラボのオリジナル。

場面

A Native American woman pleading to the chief for the lives of her children

アメリカ先住民の女の人が、子どもたちの命を助けてほしいと、長(おさ)に願い出ている。

いちばん大事なものを最優先で守り抜き、確かな成果を出す愛情深い守り手

キーワード

「成果(EFFECTIVENESS):いちばん大事なものを先に守るから、君の力はきちんと実を結ぶ」

「優先順位」「守る愛」「交渉力」「真剣さ」「母性」「実を結ぶ力」

目指す方向性

  • 何がいちばん大事かを、最初に決めること。
  • 守りたいもののためなら、立場が上の人にもはっきり願い出ること。
  • 真剣な思いを、落ち着いた言葉で伝えること。
  • あれもこれもより、大事なことから順に片づけること。
  • 人の頼みを聞くときも、自分の大事なものを手放さないこと。

シンボルを読む

いちばん大事なものを先に選ぶ力

29度のキーワードは「成果」。
この度数の人は、いちばん大事なものを見きわめて、それを先に守れる人です。
だから、君のがんばりはきちんと実を結ぶんです。

蠍座は、水のサインの固定宮。
水は深い愛情、固定宮はその愛を最後まで持ち続ける力のことです。
蠍座の人が本気で守ろうと決めたものは、何があっても手放しません。

29度は、蠍座の終わりの一歩手前。
ここまで育ててきた集中力が、「守る力」としてはっきり形になります。

こんな物語を思いえがいてみます。

川ぞいの村。
雪どけの季節、川の水かさがどんどん増えていました。
低い土地にある学校が心配になった一人の母親が、村の集まりに出かけていきます。
村の長の前に進み出て、落ち着いた声で言いました。
「水が引くまで、子どもたちの教室を丘の上の教会に移してください」
話し合いは夜まで続き、次の朝、子どもたちは丘の上で授業を受けていました。
水が引いて春が来るまで、子どもたちはみんな元気に、丘の上の教室に通いました。

声を上げられたのは、いちばん守りたいものがはっきりしていたから。
この度数の人は、真剣な願いを、相手が動ける言葉にして届けることができるんです。

真剣さが人を動かす

この度数の人の交渉力の源は、真剣さです。
本気で守りたいものがあるから、言葉に迷いがない。
その迷いのなさが、相手の心を動かします。

仕事でも暮らしでも、「ここだけは譲れない」がはっきりしている人は強い。
優先順位を決めて、大事なことから順に手をつける。
それだけで、成果はぐんと上がっていきます。

家族、仲間、自分の夢。
君が本気で守ろうとするとき、その姿に、まわりの人も力を貸したくなるんです。

人に合わせすぎない

やさしい人ほど、人の頼みを断れなくなることがあります。
あれもこれも引き受けて、いちばん大事なことが後回しになりそうなときは、「私が今、いちばん守りたいものは何?」と、心の中で順番を並べ直してみてください。
一番が決まれば、断ることも、ちゃんと愛情のひとつになります。

ちょっとだけクセ

やることリストに、つい番号をふりたくなる。
家族や友だちのことになると、急に声が真剣になる。
その真剣さは、大事なものを思う気持ちそのものです。

子どもたちの命を守ろうと、長の前で願い出る女の人。
いちばん大事なものを選んだ声は、ちゃんと相手に届きます。

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